私は現在の職場に来る前にポスドクとして3つのラボで研究を行ってきました。国内2カ所。米国1カ所です。ポスドク(ポストドクターの略です)とは博士号をもった任期付研究員のことで、本来は自身の研究技術の向上や研究の発展のため、また将来自分が持つであろう研究室の運営の勉強のために、博士号を取った直後から一定期間行うもの、というのが私の解釈であり、そのような気持ちでポスドクをしていました。海外の大学ではこの”ポスドク”を経験し、かつその時に一定の成果を上げなければアカデミックなポジションを得る事はまずできません。ところが日本では少し事情が異なります。
日本でも学位取得後アカデミックポジションを得、研究を続けたいと思う人が大半です(だと思います)。日本においては、実際は、博士取得後ポスドクなどせず出身研究室の助手(助教)として採用されるのがアカデミックポジションを得るための一番の近道です。落ち着いて自分の研究を進める事ができ、次の准教授や教授ポストも吟味して探す事ができるからです。日本ではこのゴールデンコースに乗った人と外れてポスドクをし始めてしまった人との格差が大きすぎると感じます。ポスドクになってしまうと限られた時間で成果をあげることが求められ大きな仕事の展開をはかりにくくなるという事もあります(この点は助教になってからなおさら痛感します)。 ポストは限られているので、全員がアカデミックポジションを得る事ができないことはわかります。しかしそうであったとしても、”俺はできる限りの研究はやった。これでポストがないならしょうがない”と思えるようなシステムにしてほしいと思います。その点、やはり米国のテニューヤーシステムはよくできていると思います。 ではポスドクになったらどうするか。結局はだれもが認めるよい仕事をすること以外ないですかね・・
by stemcell
| 2007-10-12 23:10
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