先日古巣のラボに実験材料をもらいに今実験指導をしている(といっても私のテーマを受け持っているわけではありません)学生と出かけました。一人で行ってもよかったのですが、博士課程に進学を希望している彼にとって他のラボを見るのは大事とも思い連れて行きました。学生時代は大学を跨いで他のラボを見る機会は意外に少ないものですし、多様な研究の価値観を体感できる貴重な機会とも思えたからです。特に自分の行っている研究を他のラボの研究者に話し意見をもらうという機会は、たとえそれがネガティブなコメントでも貴重と思います(ネガティブなコメントの方がむしろ良いかもしれませんね)。後で聞いたら彼も良い経験だったと言ってました。
その時元ボスに、そろそろ自分で実験できなくなってくかな、的な発言をしたところ、「君のような若手が実際実験を行うのが一番効率がよいのは明らかで、今の大学若手教員置かれている忙しすぎて実験を自分で行えない状況は日本のサイエンスにとって明らかにマイナスだ」的なことを言っていました。これは確かにあたっています。大学院生を指導することも重要ですが、個々の実験結果を出すという点では学生と私とではスピードが場合によっては4、5倍違います。その点において、特に国際的に競争している分野では若手教員が現役で実験し続けることも重要でしょう。 当たり前のことといえばそうですが、正直ラボをもっても現役で実験を続けることの重要性をそれほど感じてはいませんでした(ラボを持つとラストオーサーの論文が重要になってくるためです)。しかしその考えは少し改めようと思いまじめています。
by stemcell
| 2009-02-14 11:49
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