今日は夕方バンドの練習に行ってきました。アメリカでバンド活動をしていた話は以前しましたが、ここは日本なので、トルネードを避ける地下室もないし、そもそも一般の家で練習ができるはずもありません。そこでスタジオと呼ばれるバンド練習場に行くわけです。
スタジオには通常4から5部屋あり、それぞれにアンプ二台、ドラム、マイク等が置いてあって、ギターさえ持っていけばバンドの練習ができます。料金は一時間一室だいたい1500〜2500円くらいです。スタジオに行くのはほぼ7〜8年ぶりでした、今日行ったスタジオは初めての場所でしたが、驚いたのは中で酒もタバコもオーケーなところ。以前は考えられませんでしたが、時代の流れでしょうか。私にとっては歓迎ですが、機材にはあまりよくないのでしょう。こぼしたりしたら大変です。 今日はそのあと更に私が以前所属していた少年野球チームの同窓会に行きました。ほぼ20年ぶりにある人もいて、懐かしかったです。私はその頃の試合の記録はほとんど憶えていませんが、なかには驚くほど憶えているやつがいて、何対何で負けたとか勝ったとか言うのです。すごいです。単純に。この記憶力は。メンバーの一人が居酒屋の店長になったやつがいて、そこで飲んでいました。彼に職業を聞かれ、大学の教員、と答えたら、休みが多くていいね、と言われました。おそらくそれがおおくの一般の人達の大学教員に対する第一印象なのではないでしょうか。 #
by stemcell
| 2007-11-05 00:07
今日は研究室のOB,OGに会う機会がありました。1、2年経つと研究室にいた学生の頃とは違って少し成長した印象を受けます。
研究の世界は狭く、大学の研究者というのは社会を知らない、という話をよく聞きます。研究者や大学教員は狭い世界でだけで活動しているため常識がない、なんてひどい事もよく言われます。しかし私はこの意見に手放しで賛同はできません。 そもそもここでよく言われる”社会”というのはいったいどうゆう社会を指していうのでしょうか?おそらく会社員のことをいうのだと思いますが、会社員にしたっていろいろあるはずです。今回の亀田騒動に見られるように、マスコミの常識と一般社会のそれとはずれがおおいにあるわけです。個々の会社にもきっとその中でしか通じない常識のようなものはきっとあるはずです(NOVAのように)。きっとそれらは外から見ないとわからないものなのでしょう。 今日会った彼ら彼女らが成長したように見えたのは、異分野に移ってそこでの考え方が身についたからだと思います。もちろんこれは悪い意味でも何でもなく、研究者だけでなく他の多くの職業についている人が異分野の考え方を身につけるのはおそらく意味があるのだと思ったのです。 とはいっても研究者を目指す人は、生まれもって他とは違った考え方をする人達が多いこともあるのかもしれませんが・・ #
by stemcell
| 2007-11-03 18:31
今日私の指導のもとに実験している学生がすごいデータをもってきました。このデータが本当だとするとかなり面白い研究に発展する可能性を秘めています。彼はある種の細胞内シグナル伝達たんぱく質を調べていましたが、まったく別々の独立したシグナルがある反応を介してクロスしていることを示しているデータでした。
私はこの結果を見てかなり興奮しましたが、当の本人はまったくそんなことはなく、いたって普通に私の考察を聞いていました。ちょっとがっかりしましたが、そもそもよく考えてみると彼は私の言われるままに実験をやって、その結果だけを持ってきて、その考察を聞いて、次にすべきことを言われるのを待っているのです。 私の指導不足といえばそれまでですが、このような受け身型の学生がほとんどです。こちらとしては彼の意見を尊重して実験を組み立てて行きたいですし、彼の考察を聞いて仕事を進めていたいと望んでいるのですが・・でもほとんどの学生はやるべき実験を一方的に聞きたがり、人によっては言われた通りにやったのにデータがでない、いう雰囲気を醸し出す人までいます。 研究を提案している自分がいうのもなんですが、そもそもそのように人に言われた実験をやっていて楽しいのですかね。自分でこうゆう実験をしたい、もしくはするといいのでは、と言い出す学生は頼もしいと感じます。 #
by stemcell
| 2007-11-02 22:08
論文の著者の順番決めの苦労に関して昨日書きました。助教の立場故の悩みを書いたわけですが、これ以外にも著者順を巡っては多くのあつれき、あるいは骨肉の争いがたびたび起ります。
現在生命科学の分野はだいぶ成熟して来たためか、一人の研究者の力で論文にまとめる研究成果をだせなくなってきています。そこで研究室内外の研究者と協力して仕事をまとめていく場合が非常に多いです。個人的な経験では、だいたいの研究者は共同研究における自分の貢献度を他人からみた場合よりも高く評価する傾向にありますので、それらの研究成果をまとめて一つの論文にするときに、我こそは筆頭著者だ、いやいや俺でしょうー、というような争いに発展する可能性があるわけです。 昨日書いたように、論文の著者の中で最も重要なのでは最初と最後です。筆頭著者の論文が何報あるか、がとりあえずその人の(特に若手の)研究能力の評価対象となりますので、最初と2番目とでは大違いです。 このような問題に対処するために、最近の論文では、数人(大抵は最初と2番目)の著者の名前の横に印(&や#)をつけて、そのページの下の方に”このマークがついている著者はこの論文に同じように貢献した”とかいう文章をのせるものが増えました。こうゆうのをダブル筆頭著者(英語でダブルファーストオーサー)といいます。 しかしこの場合でも結局最初の著者と2番目とでは差があるわけです。実際その論文が引用されているときはダブルかどうかなんてわからないわけですから。最近気になるのは海外の研究所からの論文で日本人の名前がこのダブルファーストオーサーの一人である場合、必ずと言っていいほどその人は二番目なのです。日本人の押しの弱さがここに出ていると私は思います。今海外で研究をしている人で、もしも今後ダブル筆頭著者になるような状況になったら、是非筆頭著者を目指して交渉して下さい。 そういえば最近、ダブルラストオーサーなることをするグループもみました。やっぱりこの場合も名前に印をつけて“同じように貢献しました”なんていってるわけです。これはちょっとかっこわるいですね・・研究室の主宰者にまでなって往生際が悪いと言うか・・ #
by stemcell
| 2007-11-01 20:43
学術論文を発表する際、その著者の名前の順番というのは重要です。研究者の評価はその人の発表論文で評価される事が多く、その際、その研究者の名前がそれぞれの発表論文の著者の並びでどこに位置しているのか、でその人の各論文に対する貢献度を量られるからです。
我々の分野では、筆頭著者に主な実験を遂行した人の名前がきて、最後にその論文の主な実験が行われた研究室のボスの名前が来ます。ですので重要なのは最初と最後の位置取りとなります。次に重要となるのが、コレスポンディングオーサーです。これはその論文に関する質問や別刷請求先として、いわばその論文に責任を持つ人のことで、論文中の著者の中でその人の名前のところに米印(*)がつきます。これも少し評価の対象となります。実際論文をまとめた人、と見られるからです。だいたいはラストオーサー(最後の著者)がなります。 若手研究者は筆頭著者としてなるべく多くの論文を書かなくてはなりません。逆に研究室を持ってからはラストオーサーの論文を出させなければいけなくなります。それぞれ逆ではなぜか評価は上がりません。 私は助教ですが、この立場が一番微妙です。学生の研究指導をし、実験を組み立て、時には研究費も取ってくるが、その実験が行われたラボは自分のラボとは見られないためです。准教授になると書類上正式な学生の指導教員になれるためか、論文もラストオーサーとしてまとめられる場合が多いです。それが准教授としての評価に繋がります。しかし多くの助教は、この著者決めでいらぬ気苦労を(少なくとも私は)伴います。 いままで会った何人かの助教の人たちのやり方を見ていると、1)学生の出したデータは基本的に自分の出したものとして筆頭著者として自分で論文を書く人、2)ボスに構わずラストオーサーとして論文をまとめる人、3)学生を筆頭著者にしてボスはラストオーサー自分は2番目の著者として論文をまとめる人、の三パターンがありそうです。 私は苦肉の策として、指導した学生がどんなかたちであるにせよ、自分で最初の原稿を書いた場合は2番目の著者でありながら論文を完成させることにしました。逆に学生がデータだけ出して論文にできずそのまま卒業してしまった場合は、自分は筆頭著者として論文をまとめることにしています。いずれの場合もできるかぎりコレスポンディングオーサーにはなろうと思ってはいます。ラストオーサーを取ることは求めません。国内では助教の評価としてそれほど重要ではないと思われたからです(これはこれで問題だとは思いますが・・)。 海外の研究機関では、この中途半端に独立している助教という身分制度はないので、本来、ラストオーサーがコレスポンディングオーサーになり、筆頭著者や2番目の著者がこれになることはほとんどありません。ですので日本から出てくる論文は、誰がどのように貢献したのかが海外の人にはわかりずらいと言われています。ただ日本発の論文が増え、上記のような独自の著者順決めをしていると、だんだん状況がわかって来た、というようなことを言う海外の研究者もいました。 他の助教のひとはどうしているのでしょうか・・ #
by stemcell
| 2007-10-31 22:33
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