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東電

先日の出張の時、飛行機の中で読む適当な文庫本を空港の本屋で探しました。暇つぶしなので別になんでもよかったのです。すると「手紙」というタイトルの文庫本が目に留まりました。東野圭吾という作家の小説です。なんとなく聞いたことがあった小説だったので(たしか映画になった)試しに読んでみることにしました。

内容はなかなかハード。両親を早くに亡くした2人の兄弟が主役です。高校生の弟の学費を工面しようとした兄が出来心で空き巣に入り、偶然そこにいたおばあさんを殺してしまいます。弟はその後一人で家賃や食費を稼がなくてはいけなくなり、その苦労もさることながら、強盗殺人犯になった兄をもつばかりに、そのことが発覚するや家は追い出されるし仕事は見つからないし、あげくに結婚も好きにできない、結婚して子供ができたとしても今度はその子供が強盗殺人犯の姪ということで差別されると状況に落ち入る、という話です。この世から偏見と差別はなくならず、犯罪者はその家族をも不幸にする、そしてそのような人達(犯罪を犯した人の家族)を差別することはある程度しょうがないことで、そのことを批判することはできないのではないか、と読者に問いかけるような内容でした。犯罪者は自分の家族をも不幸にしたことを罪の意識として認識すべきなのだ、としています。まあそうなのかもしれません。

これを読んで、東京電力社員の家族のことが思い起こされました。東電社員を家族に持つ人の今の心境や状況は、この小説の弟のようなものなのだと思ったのです。

東電社員の家族は今回の事故に関してまったく無実です。しかし肩身の狭い思いをしてしまう。少なくとも家族に東電社員がいることを世間には隠してしまうのではないかと思います。それは差別や偏見を持つ人がいるからです。またそのような家族に対して過剰に気を使うことも逆差別ということになってしまう。また私は全く潔白でなにもわるいことはしていない、という態度でいると、今度は回りが気を使ってしまい、それは傲慢ということになってしまう。結局そのような人達は今後、東電社員の家族というレッテルを背負って生きていかねばならない。それが犯罪者の家族と同様、とまではいいませんが。

東電はそのような社員の家族のことまで考えているでしょうか。もう少し東電は自分達ばかりでなく、そのような社員の家族のことも考慮し、事故後の対応やコメントをするべきでしょう。
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by stemcell | 2011-12-27 07:53

おもしろいサイト

私の知り合いの研究者が自身のブログで下記のサイトを言及していました。研究室の人間関係というか雰囲気をよく表していて面白いです。暇な人は見てみてください。

http://sotak.info/sci.jpg

ちなみに出てくる英単語は以下の意味です。

undergraduate: 学部生
PhD student: 博士号取得を目指している大学院生
postdoc: ポスドク(博士取得直後の、ボスに雇われた立場の契約研究員)
PI/professor: 研究室を主宰する教授
technician: 技術員
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by stemcell | 2011-12-23 19:15

早起き

今週は仕事に関連した研修のようなものがあり、月曜から金曜までいつもよりも一時間早くおきて電車で2時間かけて通勤です。研修も朝から夜まで講義やら実習やらがビッチリ。なかなかつらい。もう帰りの電車はくたくたです。でもようやく半分終えて残り2日。先が見えてきました。

普段は職場まで自転車で15分ほどですので、朝の電車というのにはほとんど乗りません。なので初日の2時間通勤はほとんど地獄のようでした。身動きがほとんど取れない状況で数時間、こんなので毎日通勤する人達はほんとに大変だな、と思いました。しかし不思議と3日目の昨日くらいになるとそれほど苦痛は感じなくなってきました。その数時間で起こる事象が予想できるからだと思います。こんなとき生物が持つ環境適応能力を実感できます。
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by stemcell | 2011-12-15 06:28

大腸菌のタンパク質

最近研究室に出入りしている業者があるメーカーの新しいカタログを持ってきました。そこにあった新しい大腸菌株が目に留まりました。

自分が調べているタンパク質の解析をする場合、そのタンパク質を大腸菌に作らせる場合が多いです。自分が調べたいタンパク質をコードする遺伝子を大腸菌に組み込み、その遺伝子を大腸菌内で強制的に大量に発現させ、作られたタンパク質を取り出して解析するのです。場合によっては大腸菌の全タンパク質の50%ほどがその目的タンパク質になる場合もあり、ちょっと大腸菌もかわいそうですね。

その大腸菌で作られたタンパク質を取り出す作業が結構大変です。通常は遺伝子組み換えの技術を利用して、タグと呼ばれる短い配列をタンパク質に付加するように遺伝子を設計し、大腸菌に組み込みます。するとそのタグ配列を認識するカラムを用いて、簡便に目的タンパク質(つまりタグのついているタンパク質)を簡便に取り出すことができます。

このようなタグには様々な種類がありますが、もっとも一般的なタグはHisタグと呼ばれるものです。これはアミノ酸の一つヒスチジンが6個連続したタグです。ヒスチジンはニッケル等の金属に結合する性質があるので、ニッケル用いて目的の(Hisタグを持つ)タンパク質を精製でできます。しかし、大腸菌が通常持っているタンパク質も結構ヒスチジンに富むタンパク質があり、それらが夾雑物として混ざってしまうことが結構あります。

そこで、上記の新しい大腸菌は、そのようなHisタグの夾雑物となる大腸菌由来のタンパク質遺伝子に変異を加え、ニッケルにくっつかなくした、もしくはHisタグ以外のタグを組み入れ、ニッケルカラムで精製後、簡単にその夾雑タンパクを取り除けるようにした大腸菌でした。

今調べているタンパク質の発現用にうってつけだったので、早速買ってみました。どんなものか。。。
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by stemcell | 2011-12-10 18:59

土建

学会参加のために東南アジアの国へ行っていました。ビルが乱立し、更に建て増し工事をそこかしこで行っています。景気が良いのでしょう。欧州の財政問題など関係ないように見えます。

その工事風景、よく見ると日本とだいぶ違います。まず外壁にはり巡らす外枠というか足場が全て竹でできています。これには驚きました。折れたら死にますね。あと作業員もヘルメットはかぶっておらず、半数は裸です。労働基準法など無いのでしょう。重機も古く、ほとんどが日本語が書かれた中古品。それでもあれほどのビルを立てられるのですから、それはそれですごい。技術はあるのでしょう。まともに立っていればですが。

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by stemcell | 2011-12-08 06:43

増税

消費税が上がりそうです。ここ10年ほどずっと話題になってきていましたが今回はほんとに上がりそうです。消費税増税はある意味わかり易いので反対する人が多いですが、結局は一番公平な納税のような気がします。食料品などの生活に最低限必要なものの購入に対しては税を低く設定する必要はあるでしょうが。ほんとにそろそろ税収を上げないと。国の借金がえらいことになっていますから。家計を締めるのが先だ、といいますが、もう期待できないのでは。ミクロに見ると各省庁の予算のぶんどり合いがひどく、ラチがあかないのではないかと思います。震災もあったし、次世代にこれ以上ツケ(借金)をまわしたくはありません。
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by stemcell | 2011-12-02 06:08