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タンパク質

論文の改訂を行うべく実験を進めています。レフリーに求められたのはあるタンパク質の活性を別の種のそれも調べなさい、というものでした。

特定の遺伝子産物(すなわちタンパク質)を調べたい場合、昨今とりあえず大腸菌につくらせます。目的の遺伝子を組み入れ強制的にその遺伝子を発現させるのです。最近私は大腸菌発現系では好んでNEBのインパクトシステムを使います。このシステム、タグがタグを切ってくれるので、プロテアーゼ無しでタグ無しタンパクを精製できるのですよね。今回もこれを使いました。

昨日発現させた大腸菌をつぶし調べたところタンパク質がつくられていて、そこから目的タンパク質の精製も行うことができました。一安心です。大腸菌はたまったものではないですが。来週はそのタンパク質の活性を調べようと思います。
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by stemcell | 2008-11-29 09:27

連休

連休中はいろいろ忙しかったですが楽しかったです。まず投稿していた論文の審査結果が先週帰ってきてそこでレフリーに指摘された実験を遂行すべく遺伝子のクローニングを始めました。遺伝子クローニングは以前書きましたが、特定の遺伝子DNAを大腸菌につくらせる操作です。大腸菌は一晩で増殖を終えるので毎日実験を継続すると進みが早いです。そこで週末もちょこちょこ実験しました。指摘自体は非常に的を得たもので、その実験でデータが得られればさらに論文が良いものになるのは間違いありません。論文は見知らぬレフリーの助けを借りて更に良いものになる場合がありますが、今回はそれに当たります。

昨日は両親と一緒に日帰り登山&温泉ツアーにいきました。登山といっても2時間ほどのハイキングコースに近いものでしたが、息子にとっては初めての山登りでした。途中でバテルと思いきや、最後まで上りきりました。逆に娘を抱っこして上った妻が多少バテました。弁当は子供の支度で忙しいのでおにぎりが妻、おかずはおふくろ、となっていました。いつもの夕飯に出てくるようなおかずでしたが私に取っては昔食べなれた味で、舌に心地よい、という感じです。いつも食べてたころは特に気にも留めないのですが。帰りによった温泉もよかったです。普段は車でいく場所でしたが混んでいると思われたので公共交通機関でいきました。行き帰りの特急の指定席がとれビールも飲めるし快適な小旅行でした。

連休初日の夜は息子が通っていた保育園の同級生の家族と居酒屋にいきました。その店は一部が子連れ用になっていて、テーブル席の横に遊具のある小部屋があって子供をそこで遊ばせておくことができるようになっていました。子供も大人もうれしい作りです。周りは圧倒的に子連れのお母さん達が多かったです。家族で来ているのは珍しかったですかね。なぜかはわかりません。子連れで飲むのは私は初めてでしたが、相手方の夫婦はよく来ているとのこと。また行きたいです。
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by stemcell | 2008-11-25 21:33

テニューヤートラック

先日旧友が私の大学に来ました。彼は私と同い年で私が米国でポスドクをしていたとき同じ学部の博士課程の学生として同じビルで(しかし別のラボで)研究をしていました。田舎な大学でしたのでビル内にいる日本人(その時は私だけがポスドク)は4人しかおらず、すぐに顔見知りになりました。私の帰国後7年ほどがたちますので残り3人も今は別の場所で研究をしています。一人はカリフォルニアでポスドク、一人は東京でポスドクをしています。今回会った彼はめでたく今年から米国のとある大学でラボをもちました。いわゆるテニューヤートラックというやつです。

米国の大学は日本のように講座制になっていないので若い教員も自分のラボをもちます。大抵最初は5年ほどの期限付きの採用で、採用期間の最後に永久在職権を与えるかを大学側が審査する仕組みになっています。ですので採用後3、4年の間に研究費を獲得し、かつできる限りよい論文を発表することが求められます。またその間に受け持つ授業の生徒の評価も重要と聞いています。一番大事なのは研究費の獲得でしょう。研究費の一部は大学に入るので、それを取って来れない研究者はいらない、ということです。この期限付きのポストのことをテニューヤートラックとよびます。

このテニューヤートラック、最近日本にも増えてきました。日本ではポスドクをいくらしても若いうちはなかなか自分のやりたい研究にチャレンジすることができない環境でしたので、基本的によいことと思います。5年必死にやって芽が出なければその後ポストがなくてもあきらめがつくというものです。その分普通に助手をやっている人にとってはその後のポストの数が減ることになるわけですが・・

米国で生物学を専攻している大学院生は大抵は日本で学部を卒業してから渡米する人がほとんどと思いますが、今回会った彼は学部から渡米しました。なので当たり前ですが日本語の教科書を読んだことがなく、従いほとんどの生物学の用語を日本語にできないのです。電気泳動ってなんのことだ?という感じです。今後日本でポストを得ることも少し考えているようですが、これでは授業がきついですかね。研究費の申請もままならないかもしれません。ともあれ今後活躍してほしいと思います。
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by stemcell | 2008-11-18 22:21

捏造

科学者の不正行為が最近問題になることがたびたびありました。この不正行為というのはたとえば一部もしくは全てのデータを都合の良いように改ざんしたりした後論文として発表することです。自然現象の仕組みを知りたく研究するのが(もしくはするはずなのが)科学者なのにこれでは本末転倒ですね。一般の人はなぜそんなことをするのかわからない人もいるのではないでしょうか。

一番有名なのは米国のベル研究所のある若手研究者の一連の研究で、彼は続々と驚くようなデータを出し次々に有名な雑誌に論文を発表していましたが、それらが全て自作のデータで、測定に使ったとされる機器も実際はなかったといわれています。

このようなことが起こるようになったのは研究費獲得やポストを得る際の競争が激しくなってきたことが背景にあります。それだけ研究者や研究者志望の人が増えたのですね。有名な雑誌に論文が載ればポストも研究費も獲得できる確率が高くなるのです。

このようなことが続き、近年科学者自身でねつ造を行わないようにいろいろな方策を打ち出そうと様々な学会が動いているようです。私の所属する分子生物学会では最近起こった大阪大学でのねつ造事件に対し数名からなるグループを立ち上げ検証を行ったということで、その調査報告が先日送られてきた学会通信に載っていました。これはweb上でも見れると思います。しかしその内容はありきたりのことしか書いておらず少しがっかりです。私としては実際どのようなねつ造が行われたのかを報告してほしかったです。具体的にねつ造されたデータを示し、これこれここがこのようにこうゆう理由で改変されています、というふうに。

ねつ造は主に実際実験をした(多くは若手の)研究者が行う場合が多いと思いますが、それを踏まえても責任の多くは研究室主宰者にあると私は思います(まれに主宰者がねつ造する場合もあったようですが、これはもうどうしようもないですね)。ねつ造が行われる研究室というのはそれを許してしまうような雰囲気が必ずあると思うからです。

講座制の研究室の場合、主宰者は実験の指導をほとんどしません(代わりにポスドクや助教が実験の指導をします)。ですので出てきた結果だけを見て仕事の議論をする研究室主宰者が私の経験からもかなり多いと思いです。このような場合主宰者がねつ造を予期することはほとんどできないでしょう。加えてそのような人は自分の都合の悪いデータをよく見ない傾向にあります。上手くいかない実験の理由を突き詰めず、他の人にやらせる、ということをする主宰者もいました。これでは間接的にねつ造を認めているようなものです。ねつ造をしない研究者を育て、かつねつ造を絶対に認めない雰囲気の研究室をつくるには、主宰者自らがデータ取得のプロセスに徹底的にこだわり、それを実際実験している人間に思い知らせる必要があるのではないかと思います。

ねつ造はこのような競争の激しくなった研究の世界では出るべくして出てきた問題のように思えます。似たような行為は他の分野でもしばしば見られますし。以前あるテレビのダイエット番組が改変されたものであったということがありました。新聞や週刊誌の報道にしても自分の主張に合わせて取材内容を(多かれ少なかれ)改変しているのが透けて見えるものもあります。これらは発表記事をよりインパクトのあるものにしたい、もしくは結果が先にありそれに合うようにデータ(取材内容)を改変したり意図的に一部分を隠すことでストーリー性を持たせたい、という意図が働いたためと思われます。科学の不正に似ています。プレッシャーや利害が大きく絡む場合の人間の起こしうる行為のひとつと認識すべきなのでしょう。
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by stemcell | 2008-11-16 13:51

紅葉

今年は紅葉がきれいなようです。最近はあまりきれいに紅葉しないなーと思っていましたが今年は違いました。寒暖差が激しいと紅葉もきれいになると聞いたことがありますがほんとなのでしょうか。今年は例年に比べて特に急に寒くなったような感じはしないのですが・・

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by stemcell | 2008-11-13 23:04

先日妻が指を切ってしまいました。小指の爪の真ん中あたりから包丁が入って深さ5mmほどの厚さで指端まであと数ミリというとこまでざっくりいきました。さすがに私もビビりました。どうも大根をよそ見しながら(おそらく子供に気を取られて)切っていたようです。

その場に私はいませんでしたが電話が職場にきて慌てて帰り夜間診療の病院を探し連れていきました。切れた箇所は切った直後は血流が無くなったのか真っ白で、もうくっつかないと思われましたが、今日の再診診断だとなんとかなりそうとのこと。一安心です。あれだけ切れても自然とくっつくというのは人の身体はすごいと思いました。骨をさけて切れていたのがよかったのかもしれません。

切ってから私が帰るまで30分はかかりましたが妻はずっと戦国時代に思いを馳せていたとのこと。指先切ってこんなに痛いのに身体を日本刀で切られたらさぞ痛いのだろうと想像していたようです。エボシは凄い、と言っていました。

そういえば子供の頃、知り合いが似たように指を切ってしまったことがありました。人が落ちるくらい大きな落とし穴を作っていた時、両手で使うでかい植木ばさみで穴を隠す草を切っていました。その草を彼が拾っていたとき他の子供が草と一緒に指を切ってしまったのです。幸い傷口がわからないくらいに回復しましたが、強烈な記憶として残っています。植木ばさみを見るたび思い出します。
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by stemcell | 2008-11-11 22:16

山口富士夫

先日山口冨士夫のライブを見に行きました。この人、私が生まれた70年代前半のジャパニーズロックの黎明期に活躍した村八分というバンドの元ギタリストで、そのスジではかなり有名な人です。最近入院していましたがほぼ一年ぶりにライブをするというので、これが最後かもしらん、と思い見に行きました。

小さいライブハウスが会場でしたが、ギュウギュウ詰めの超満員。バーに酒も買いに行けないほどでした。あんなに客の入ったライブを見たのは久しぶりでした。来ている客の多くは当然といえばそうですが団塊世代の人が多かったです。

だいぶ身体が弱ったのかあまり長い時間演奏はできませんでしたが、やはり彼のアーティスト性はすごいと思いました。最初はギターとハーモニカでボブディランのようなソロ演奏をしましたが、おそらくその場で考えながら歌っていると思われる歌詞に感動してしまいました。他の客もおそらく同じで超満員の客は一言も発することなくその歌とギターに聞き入っていました。言葉は軽くなりますが、いろいろな人生経験をしている人間の深みを感じました。

昔、今から15年ほど前、山口冨士夫と同年代の人たちとバンドを組んでいたことがあります。サンタナ、クリーム、ドアーズなどのコピーをしていました。近所では有名になり夏祭りで呼ばれた売り出し演歌歌手の前座で演奏などしたことを思い出します。祭り客のその年代の人たちには懐メロなので大変喜ばれ演奏後いろいろおごってもらったりしました。音楽が多様化した今と違い、当時はおそらく多くの若者が共通の曲を聴いて盛り上がれたのでしょう。この点少しうらやましいと思いました。
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by stemcell | 2008-11-09 22:53

幕僚長

航空自衛隊の幕僚長の懸賞論文が最近話題です。私もどんな論文なのか気になったのでネットで探したところすぐ見つかりました。これがインターネットの良いところですね。

この論文、文章は明快です。学術論文の読み書きに慣れた理系の人にはおそらく受け入れ易い記述なのではないでしょうか。この点は少し意外でした。内容は、マスコミの報道に要約されているのであまり触れなくともよいと思いますが、いわゆる右よりな意見が書いてあります。ただ報道では論旨の一部を大々的に取り上げるので、全体の印象は少し違いました。しかし立場を考えればこのような意見の論文を発表することは控えるべきだったでしょう。

私自身は正直(どことはいいませんが)少し理解できる部分はあります。私は過去2回海外で(それぞれ異なる国)学生/ポスドク生活をしたことがありますが、そこで会ったいろいろな国の人との会話のなかで感じたことが土台となっています。誰でも生まれ育った国が好きなのです。その単純な気持ちを日本から出たことのない人はリアルに感じることはできません。

マスコミはこぞってこの論文に猛反論です。政府見解との違いに関してはまだよいのですが、”内容”に関してもう少し中立な立場で報道できないものかと思います。よもや当事者は中立の立場で報道していると自覚してはいないと思いますが。いっそのこと米国のニュースチャンネルのように右寄りの社と左寄りとのもう少し明確にしたらよいのかもしれませんね。
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by stemcell | 2008-11-05 23:15

フォローアップミルク

長女は保育園に通っているため離乳食の開始も早くあと数ヶ月でほとんどの食事は離乳食中心になる見込みだそうです。こちらとしては保育園で本格的な離乳食を作って食べさせてくれるため気が楽です。保育園では本人の食べる気を削がないために自分で食べたがる時はどんなに周りを汚しても好きにさせているとのことでした。これを数人の園児がやるわけなので食卓の周りはすごい状態になりそうですが、逆にいっぺんに片付ければいいのでそうと決めればそれはそれで先生たちも気が楽なのではないでしょうか。

それにならって休日家での食事の時も好きにさせています。やはりすごい状態になりますが毎日でないのは救いです。好きに食べさせることがどれくらい意味のあることか疑問といえば疑問ですが少なくとも長女は食事が楽しそうです。しかし赤ちゃんと一緒に平日を過ごす母親がそれを毎日やるのは結構つらいと思います。以前知り合いになった人は耐えかねて子供の食器を吸盤でテーブルに固定できるものを使っていました。

離乳食中はミルクも併用しますが種類が異なります。いわゆるフォローアップミルクというものを食後や寝る前に飲ませています。ミルクは計量スプーンで計りとってお湯を入れて作ります。新生児用のミルクはすり切り一杯で20ml分でした。ですので200ml作る時は(哺乳瓶は200mlです)10杯です。ところがフォローアップミルクについてくるスプーンはなぜか大きく一杯で50ml分です。最初はそのことを指摘されたはずなのですが、私はフォローアップミルクになってからも今まで通り10杯すくって200ml分つくっていました(今日判明しました)。

フォローアップミルクになる前から長女のミルクの回数はだいぶ少なくなってきていたので、私が作ることもあまりなくなってたのが原因です。といってもいいわけですね。スプーンはそもそもでかいので気付かないほうがいけないと思います。そういえば私がミルクを作るとかならず残していたような気がします。2倍以上濃いんですものね。子供は正直です。
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by stemcell | 2008-11-03 14:21