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研究と音楽

研究は新しい音楽(この場合はバンドで演奏するような曲を指します)を作る作業に少し似ているような気がします。どちらも最初は人のまねから始まります。研究であれば最初は誰もが使える試薬や機材で、誰かが開発した測定法や実験手段を用いて、過去の文献を精査し仕事を進めます。音楽であれば、誰かの曲を参考にし、既存の楽器で曲を作り演奏する、ということです。どちらも自分の持つ力量以上のことはできない、と言う点も似ています。

まれにまったく人が思いもつかないような音楽を作る人がいます。例えば、ロックンロールを最初に演奏したチャックベリーやラップ音楽を最初に始めた人(誰かは知りません。MCハマー?)でしょうか。このような奇抜な発想が研究者にも求められるのでしょうが、なかなかそうはいきません。やはり人のまねから出発し、その中で、できる限りオリジナリティーを出そうと試行錯誤しつつ研究を進めるのが常です。

逆に昔の学問に固執し、その中でしか仕事を展開しない人や、昔からあるような音楽しか演奏しない人達もいます。これはこれで重要と私は思いますが、どちらかというと、新しい学問分野や音楽を作ろうという姿勢が見えるような研究者やバンドが好きです。それでいて昔の先駆者をリスペクトするような・・バンドで言えば昔のレッチリ、最近ではブレックファストあたりでしょうか。私もそうなりたいと思ってはいますが、今までのところどちらもうまく行っているとは言えません。
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by stemcell | 2007-11-29 20:42

子供

長女が無事に生まれ、先週末より里帰り出産をした奥さんの実家に行っていました。無事に生まれ一安心です。保育園児の息子は赤ちゃん帰りしそうですが。

帰ってきてニュースを見ていると、千葉県のとある川に鮭が帰って来た、というニュースをやっていました。あまりきれいとはいえない川に結構な鮭が帰って来ていました。稚魚の放流をはじめてから鮭が帰ってくるようになった、といっていたので、この川で幼児期を過ごした鮭が帰って来ているのは間違いないと思います。

この鮭の、産まれた川にかえってくる、という行為は単純にすごいですよね・・いったいどうやったら帰って来れるのでしょう。帰ってくるメカニズムというのはもうわかっているのですかね。子供の頃、川にはそれぞれ匂いがあってそれを頼りに帰ってくるのだ、とかいうようなことを聞いて納得した記憶がありますが、今は信じられません。多摩川のようなかなり汚ないところにも帰ってくるので、これはおそらくないでしょう。地形でしょうか?海流でしょうか?生き物としてなんともおぼつかない人間の赤ちゃんを見ている限り、とてつもない能力のように思えました。
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by stemcell | 2007-11-27 22:59

オリンピック

今日研究室から帰ってきたらサッカー日本代表の北京オリンピックへの出場をかけた最終予選の最終戦が行われていました。オリンピックへ出れるのはワールドカップと違って年齢制限があります。ですので若手育成の意味もあるのだと思います。相手はサウジアラビア。なかなか守りが堅く良いチームでしたが、試合を見ているかぎり日本が負ける気はしませんでした。結果は引き分けで、過去の成績で日本は北京オリンピックに出場できるようになりました。

サッカーといえばオシム監督は大丈夫でしょうか。彼のような人がボスとしての才覚を持ってうまれた人なのではないかと思います。普通彼のような毒にも薬にもなるような人は好きな人と嫌いな人に分かれるようなものと思いますが、オシム監督を悪く思う人は少ないのではないでしょうか。
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by stemcell | 2007-11-21 22:35

私の指導者

私は過去様々な研究室に所属して研究を行ってきました。学生の間で既に4カ所です。誰が私の師匠/指導者なのか私自身もよくわからずにいます。過去のボス全員とも思えます。

日本では指導した人間がその後活躍すると、指導した人間も評価される傾向にあります。通常日本では学部4年生で所属したラボに博士過程が終わるまで少なくとも6年間所属するので、その傾向があるようです。評価されるということは、過去指導した学生を厚遇するということにつながり、必然的に助手や准教授として過去指導した弟子たちを呼び戻す場合が多いのです。加えて、以前書いたように、指導者とその弟子では仕事に対する興味が一致する場合が多いので、その傾向がますます強くなります。

この点において、私のような境遇では不利だな、と思う事が過去何度かありました。若手の独立したポストというのも少しは増えてきましたが(大抵任期付ですが)、まだまだ講座制の助手や准教授のポストがほとんどです。そのようなポストは募集が公開される前に候補者が、上の理由により、ほとんど決まっている場合が多いのです。

最近、大学院進学の際他の大学に移るようなプログラムを文科省が画策しているといいますが、この上に書いたような構造的な仕組みが変わらない限り、あまり移動した学生によいことはないように思えます。

とはいっても私のようにいろいろラボを移動していると、良い事もありました。それはまた今度の機会に書きたいと思います。
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by stemcell | 2007-11-20 22:42

一人暮らし

ブログの表紙に”子育てについて思う事”などと書いてあるのにまったくその話題がないと思う人がいるかもしれません。このブログを始めた頃に少し触れたのですが、実は今奥さんは子供を連れて里帰り出産のために帰郷しているのです。というわけで今は一人暮らし。そろそろ一ヶ月になります。

子供はまだ保育園に通う年なので起きている間は常に全力です。こちらも休まる暇がありませんでした。しかし急に一人になるとそれはそれで寂しくなるものです。

私は昔から子供が好きな方ではありましたが、今思えば自分の子供ができてからは更に子供好きになったような気がします。不思議なのは自分の子供以外の子供も自分の子供ができると余計にかわいく思えるようになったことです。これは不思議でした。子供好きというと最近は変な目で知られる可能性があるのであまり声を大にできませんが・・
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by stemcell | 2007-11-15 21:06

アジアチャンピオンズリーグ

今日は早く研究室を切り上げてアジアチャンピオンズリーグの最終戦を見ました。昨年Jリーグで優勝した浦和レッズと準優勝した川崎フロンターレが参加していましたが、浦和が初めて最終戦まで勝ち続け、今日の試合に勝つか一失点未満で引き分けるかすれば優勝、という試合でした。結果は2−0で浦和の勝利。日本のクラブチームで初めてアジア王者になったというわけです。

私は浦和レッズのファンというわけではありませんが、今日の試合はやはり浦和を応援していました。勝てば今後大陸間のリーグに参加できるので、そっちの試合も楽しみになります。

この浦和レッズというチームはサポーター(サッカーの応援団のこと)の応援のすごいことで有名です。集客もJリーグでダントツトップだと思います。私も何度か応援しているチームの相手として競技場で見た事がありますが、かなりの迫力です。アウェーにしてあの声援なので、ホームゲームのときはもっとすごいのでしょう。選手もあれだけ応援されれば手を抜けないし、サポーターの為にがんばろうと言う気になるのではないかと思います。またその一点だけでも選手同士で思いが共感でき、チームが更にまとまるのではないかと思います。浦和のサポーターは自分らを12人目の選手と言っているそうですが(サッカーは1チーム11人で行います)、過言ではないと思いました。
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by stemcell | 2007-11-14 22:37

米国での発表

私はポスドクで米国にしばらくいた事があります。よく言われる事ですが、向こうの人間は人前での発表というものに小さい頃から非常な訓練をしていると思われました。大学院では更にサイエンティフィックなプレゼンテーションの仕方を学ばせるような発表の機会が多くあるように思われました。

あるとき私が所属していたデパートメント(学部)に博士課程の学生として入学を希望していたある日本人が訪問してきたことがあります。彼は日本で修士課程を終え、その後就職し数年の後、アメリカで学位を取ろうと入学を希望していました。彼は私のいたラボとは別のラボのボスを頼りに来ていましたが、入学する上で有利になるのか日本で修士課程の時に行った仕事に関してセミナーをする事になっていました。

私は聞きにはいかなかったのですが、そのセミナーに出席したラボの大学院生が、”彼は原稿を読みながら発表していた。アンビリーバブルだ”というようなことを言っていたのを思い出します。その後米国人の発表を聞く機会が多くなりいろいろ観察していると、どうも発表の型のようなセオリーのようなものがあって、それを土台に発表をしているように思えます。そんな彼ら彼女らにどうやらその日本人が行った原稿を発表のときに読むという行為は愚の骨頂、かなり奇異に写るようでした。

まあ日本人が米国人のまねができるとは思いませんが、それに近づくことができれば、海外の多くの研究者に一目置かれるようになるかもしれません。もちろん発表内容が優れていることが先決ですが。
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by stemcell | 2007-11-12 22:58

スタジオで思った事

今日は夕方からバンドの練習がありました。先週はコピーを合わせたくらいでしたが、今日は早速オリジナルの曲作りを始め、数曲それらしきものができました。

今日スタジオにいて思ったのですが、客層が私が十代、二十代前半の頃とはだいぶ違っていました。その頃はスタジオに来る客と言えば私たちと同年代(つまり十代、二十代前半)とおぼしき人々でだいたい8割は占められていたと思います。しかし先週今週とスタジオに行ってみると、客層はそのまま年をとり私たちとほぼ同年代の人達で占められていました。

考えてみるとこれは当たり前で、要するに今の若い人達はバンドというよりはヒップホップやストリートダンスが主流で、バンドをやる人はかなり少数なのでしょう。

まあ流行は繰り返すというので、私の予想ではまた十年後バンドブームが来るのではないかと思います。
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by stemcell | 2007-11-11 21:08

プレゼンテーション

私は子供の頃、全くと言っていいほど人前で話をすることができませんでした。いわゆるあがり症というやつで、これは生まれついてのものと思われ、いまでも自分の意見を人前で発言したりするのは苦手です。中学生のころある先生が、”私も小さい頃は人前で話ができなかったが今は普通に先生をしている。だから今苦手な人も大きくなればきっと話ができるようになるよ”といったような発言をし、それを聞いた私は、”そんなことあり得ねーよ”などど心の中で毒づいたことを憶えています。

しかし学者らしき事をしているとそんなことも言っていられず、自分の研究成果は論文として発表するだけでなく、学会や研究会等で発表、報告する義務が生じます。そんな生活を続けたためか、最近は少しは人前で発表したり、意見を言ったりするのに慣れてきました。その先生の言った事が今はわかるようになったわけです。

そもそもよく考えてみると、少なくとも私の学校生活の中でプレゼンテーションの方法を学んだり人前で発表する機会はほとんどありませんでした。それらしいことをしたのは大学学部の卒研発表会が最初ではないでしょうか。そのとき手に汗かいて発表したのを思い出します。

しかし最近の学生の発表は私らのころとだいぶ違うと感じます。私が学生の頃は、卒研発表会はもちろん、学会発表でもかなりの学生が台本を読みつつ聞いてる方が緊張するくらい緊張した面持ちで発表をしていました。ところが最近の研究発表会ではどうゆうわけかほとんどの学生は台本を読まなくなり、みんな堂々と、人によってはギャグなんか交えつつしっかりと発表するのです。憎たらしいばかりですが、なぜこんなに変わったのでしょうか。まったく不思議です。最近の小中学校では発表練習をする機会でもあるのでしょうか。
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by stemcell | 2007-11-10 22:31

ポスドクになってよかった事

私は博士取得後いくつかのラボでポスドクをした、という話は以前しました。ポスドクの時期は立場が不安定なこともあり、その他諸々大変なことはありましたが、今思うと貴重な時間だったと思う事もあります。

博士課程も終わりの頃になると、長い人では同じ研究室に6年いることになり、否が応でもその研究室では長老になり、そのラボの研究分野の知識ではほぼかなう人は周りにいなくなります。そうすると、自分は結構すごい研究者なんじゃないの?と半ば勘違いし、他の学生もその人には知識や実験手法でかなわないので、ますます天狗になるわけです。

私もすくなからずそうでした。しかし博士取得後、若干(あるいは人によっては大きく)異なる研究領域のラボにポスドクでいくと、少なからず自分の知識や経験のなさを痛感し、今までの自分の浅はかさを痛感できるわけです。これは結構重要なことではないかと思います。そこで揉まれるとさらに自分の経験値がアップし、自分はどのような研究スタイルが向いているのか、よく考えるようになるからです。これは自身の研究領域を将来開拓していく上でも重要と思われます。

学生時代のラボの助教にそのままなったり、あまり分野を変えずにポスドクをするとこのような経験はすることはなく、天狗のまま研究を続けていくことになります。ですので良い事ばかりではないと思います。ポスドクを同時期に行い、同世代の人と横のつながりができるというメリットもあります。このような人達は分野がそれぞれ変わっても、苦楽を共にした時期を共感できる貴重な研究者仲間になるからです。
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by stemcell | 2007-11-07 23:46