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科研費申請

今日から科学研究費補助金(略してよく科研費と呼ばれます)の申請書を書き始めました。科学研究費補助金というのは研究者個人のアイデアにもとずく研究に対して文科省(もしくは関連法人)が出す研究費です。要するにその出所は税金です。そのために重要と思われる分野にお金を出すのはまあ当然といえば当然で、このように審査に基づき研究費を国が出すのはどの国も同じです。

申請の締め切りが毎年10月中頃から終わり頃になります。私は2年前に採択されたプロジェクトが今年度で終わるので今申請書を書いているわけです。種類がいろいろあります。一番の違いは申請金額で、2〜3年のプロジェクトに対し安いもので400万くらい、高いもので数千万から億単位になります。申請金額が高い種類のものは独立したラボのボス以外はまず通らないでしょう。私のような若手の研究者用の申請区分もあるので、そこに出すのが無難です。

その研究区分、今までは37歳以下という制限でしたが今年から39歳以下になりました。ドクター取得はだいたい28〜30歳ですので、若手用の研究費といっても下手をすると10年ほどのキャリアーの違いがある人と争うことになります。結局採択の可否は(採択率はどの区分もだいたい2割と聞いています)業績重視なのでドクター取得直後の研究者はなかなか研究費をもらうのは大変かもしれません。

国公立大学は昨今大学から研究室に研究費の名目ではほとんどお金が落ちてこないので、この科研費を取ることは非常に重要です。大学も研究費を取って来れない人は新規に採用はしない傾向にあるので、ポストを将来得るためにもコンスタントに研究費を取得する必要があるのです。

ところで普段の研究にどれくらいお金がかかるのかというと、分野にもよりますが、例えば私の所属する分子生物学的研究を行う研究室では、スタッフ学生あわせて15人ほどで消耗品、機器修理や出張旅費で毎年800万〜1000万円ほど消費しています。ただ単に研究をするだけでそれくらいお金がかかるのです。新規に機器を購入しようとするとそれだけで数百万円はかかります。

ということは一人の研究者のラボではそれくらいのお金をまかなうのはかなり大変なのです。これが日本から講座制がなくならない一つの理由かもしれません。少なくとも一つの研究費だけではだめで複数の研究費を同時に取得する必要があります。また例えば研究者を一人雇おうとするとその人の給料で400万はかかります。ですので多くの研究者はもっと研究費の額を上げてくれ、と考えている人が大半でしょう。国民の多くは同意してくれないと思いますが、、

ちなみにそのような研究費は大学が管理しますので、目的以外の使用はできません(決して個人口座に振り込まれることはありません)。しかしその厳密性が結構大学や研究所によって異なるのですね。私立大学はその辺が結構あまいと聞きますがどうなんでしょう。最近科研費で夫婦旅行したとかいうニュースがありましたが、そんなことはまずできません。ふつうの研究機関では。
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by stemcell | 2008-10-02 22:44
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