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博士課程進学者

日本の大学院は修士課程と博士課程にわかれています。大学学部を卒業して大学院に入学し、通常2年で修士課程を終え、その後更に3年博士課程があります。博士課程で所定の単位を取り、博士論文を書いて審査に通り、ようやく博士号がもらえるわけです。なので博士号を取ろうとすると早くても27歳まで学生をやることになります。しかも一時期大学院重点化で人が増えたので、博士号をとっても大抵はポスドクと言われる博士契約研究員で食いつなぎ(私も5年間やりました)、常勤ポストへ応募しまくり、35までに助教になれれば御の字、と行った感じでした。それを若い人たちは見てるので、最近はめっきり博士課程に進む人が減りました。大学院に進んでも多くの学生は修士をでて博士課程に進学せず就職するのです。

でも研究が好きで(たまに就職が決まらなかったという理由の人もいますが)博士課程に進む人もいます。逆にこんどはそのような人は大抵博士課程取得後就職を希望しません。考えてみれば不思議ですが。アカデミックの世界にいたって研究テーマが学生時代とずっと同じなんてことはほとんど無いのですがね。結果ポスドクを40過ぎまでやる人も最近は多いです。このような人の受け皿をなんとかしないと日本のサイエンスは今後危ういです。多くの最先端の研究は優秀な若い大学院生やポスドクで成り立っているといっても過言ではありません。

昔どうやったら将来アカデミックポストに残れるのか?と聞かれたことがあります。私の15年ほどの経験から、博士課程もしくはポスドク後アカデミックポジションに残れている人の共通点あるように思えます。

日本ではいわゆる講座制が残っているところがほとんどなので、博士取得後アカデミックポストを最初に得ようとした場合、たいていは助教(昔でいう助手)のポジションでしょう。その場合研究室のポスの下に入るわけです。したがって大抵は自分の教え子を助教として採用する場合がほとんどです。海のものか山のものかわからない人を助教で採用することはまずありません。私が採用する立場になったとして考えれば容易に想像がつきます。ということは博士取得後大学でポストを得るには、大学院の時、10年後に助教を採用する立場になりそうな人につくことが重要と思われます。ようするにエスタブリッシュされたシニアの教授よりも若い優秀(そう)な准教授クラスの人について、その人のメインテーマで博士課程を終えるのです。そしてできる限りよい成果を上げその人の一番弟子になることが重要です。10年後にはその人が自分のラボもしくは助教を採用できるラボを構える可能性が高く、そのとき拾ってもらえるかもしれません。一度助教になれば自分のテーマも一応始められ、落ち着いて独立の機会をうかがうことができるでしょう。私と同年代の人でアカデミックポジションを得ている人は、多少の差はあれ、大抵はこのパターンです。もちろん上のようなことを考えて博士課程に進んだ人などいないでしょうし、結果論的な考察です。そうでない人もいますし。特に独立した助教や准教授のポストも増えてきましたから、このパターンは今後当てはまらないかもしれません。その場合、博士課程ではなくポスドク時に非常な成果を上げることが重要で、大学院時代のテーマを引きずるのは得策でないと思います。
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by stemcell | 2010-09-30 22:58
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