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H21年科研費2

科学研究費補助金の申請シーズンです。以前書いたように私は今年度から2年間のプロジェクトが採択されているので今回は申請しません。なので気楽なものです。

科研費はいろいろな区分に分かれており、個々の研究者は自分の提案する研究に最も適した区分に申請します。区分により申請金額が違っていたり年齢制限があったりします。例えば私の年代(30中頃)では「若手研究費」という区分に申請するのが一般的です。若手研究費は更にB, A, Sに分類されており、それぞれの申請金額の上限はだいたい500万円/2年, 2000万円/3年, 5000万円/3年ほどだったと思います。採択率はどれも変わらず2〜3割です。この他にもいくつも区分があり、2つか3つ重複申請するのが普通です(中には重複申請できない組み合わせもあります)。しかしいくつも申請してはほんとに研究が達成できるのか怪しいので、最近は申請書に”エフォート”欄があり、研究や教育に注げる全労力の何%を個々の申請研究もしくは採択中の研究に費やせるかをまとめて書き込むことになっています。この時エフォートは計100%を超えないようにしなくてはいけません。重複した研究費分配をさけるための方策と思います。

さらに若手研究費を除く多くの区分では、申請者と一緒に共同研究者と共に一つの申請書を書くことができます。この場合は共同提案者の身分や業績も書くことになり、主提案者同様、共同研究者の業績も考慮に入れて審査員は審査します。この場合、共同研究者にも研究費の配分があるのが普通です。しかしその分その共同研究に対しエフォートを払わなければなりません。これが自分の申請の足かせとなる場合があったりします。

ところが最近、”共同提案者”ではなく”連携研究者”として共同研究者の名前を申請書に入れることができるようになりました。この場合の連携研究者は、採択された際お金の配分はありません。しかし連携研究者はエフォートも付けなくてよいことになっています。今回この連携研究者になってくれと2人のひとから頼まれました。連携研究者にとっては名前を出すデメリットは無いように思えたので2つ返事でOKしました。それで共同研究が進めばこちらもありがたいというものです。

ところで今日緊急学内メールで、科研費の区分の中で”新学術領域研究”と”若手研究S”の募集停止のニュースが入ってきました。おそらく民主党の予算再編に伴う措置と思います。2700億円の旧内閣府主導補正予算研究費はともかく科研費にも手をつけるとは思いませんでした。ちょっとびっくり。予算の見直しはかなりのところまで行われているようです。

しかし科研費で手をつけるとすればこの2つというのは納得がいきます。”新学術領域研究”というのは数年前まであった”特定領域研究”の後継版です。特定領域研究と違う点は、もう少し異分野の融合を図った共同プロジェクト研究を対象としている点です。しかし結局は同じようなものになっているような気がします。こういったたぐいの研究は共同プロジェクトの体裁はしていますが、結局は個々の研究者がもらった研究費で好きなことを個別にやるのがオチです。自分でもらった基盤研究の付け足しみたいなものです。そもそもほんとに共同でなければ出来ない研究は基盤研究で共同提案すればよいのです。

若手研究Sもあまり必要ないように思います。だいたい対象としている人がどのような人なのか具体的によく解りません。若手(42歳以下)で独立している人を対象としていますが、そんな人は大学にほとんどいません。いてもたいてい凄い成果を上げている人なので、年齢制限がなく研究費も同じくらいの基盤研究AやSに応募すればよいと思います。今年申請を考えていた人は実際そうするでしょう。
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by stemcell | 2009-10-16 22:09
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