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研究分野

私が本格的に研究を始めたのは今から10年ほど前です。当時は自分が面白いと思う研究をやっていれば満足でした。それなりに論文も書けるし、次の行き先も見つかりました。しかし気がつけば自分の研究をおもしろがってくれる研究者がだいぶ少なくなってきたように感じます。

昔の分子生物学者の多くは大腸菌を材料に研究していましたが、今はほとんどいなくなってしまいました。大腸菌の生理学に関してかなり細かいところまで調べていたはずですが、そのような膨大な知識はどこかへ行ってしまったようにも感じます。例えば今の私の研究分野もそのような状況になりそうな気配があります。

研究テーマはどうのように設定したらよいのか最近悩みます。自分がただ面白いと思うことをしていればよいのか、ある程度流行の(もしくは流行る可能性のある)多くの人が興味を持ちそうなテーマを取り入れるべきか、いろいろ考えます。自分の力量以上のことは出来ないので、その中でテーマを設定することになるのですが、その際時には研究分野をガラッと変える必要があるようにも感じます。

研究分野を変える時は大々的に変えてなんら差し支えない、という意見をなにかの本で読んだことがあります。しかし同時に分野を変えるとその研究者は前のコミュニティーから直ぐに忘れ去られる、とも聞きます。分野を変えるとそこでまた一から業績を作り上げる必要があるのです。

回りはどうかというとあまり分野を変える人はいないように感じます。特定の分野で業績を積み上げかつその分野が適度に流行っている人の評価が良いように思えます。変えるにしても一回若い頃にと思った方がよさそうです。
by stemcell | 2009-03-25 22:40
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